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波乗りする人の耳/エキサイティングな講義

このブログ、本来の趣旨は、職業・環境性疾患についていろいろ書いて知識の普及およびディスカッションをすることなのですが、ほとんど職業・環境性疾患について書いておりません。言い訳するなら、それを書こうとしたら結構しっかりと調べて書かないといけないことがおおいので、スッゴク時間がかかるからです。それは、さておき、サーファーズイヤーという疾患があるのを知りました。これは、冷たい水の刺激を耳にうけて起こる疾患。サーフィンって、趣味みたいですが、プロのサーファーいるから、それは職業性疾患。サーファー以外にも冷たい水の刺激をうける職業はあるので、その人たちにとっても職業性疾患になりますね。ちなみにサーファーズイヤは、単独では『医学書院医学大辞典第2版』にはのっておらず、外耳道狭窄症という項目の中にこの言葉がでてきます↓


外耳道狭窄症

ガイジドウキョウサクショウ

[英]external auditory canal stenosis

 

外耳道が先天性・後天性の原因により,骨性・軟骨性・膜性に狭窄した状態。先天性では第一鰓溝から生じて,軟骨外耳道になる一次性外耳道と,外耳道上皮板から生じ骨性外耳道になる二次性外耳道が交通する過程で生じる。後天性では,炎症,外傷,手術後変形で生じることが多い。サーファーズイヤ(surfer's ear)は外耳道外骨腫により生じた外耳道狭窄症である。特に先天性外耳道狭窄症には外耳道真殊腫が合併していることが多いので注意する必要がある。

 

 


 

「サーファーズイヤー(外耳道外骨腫)の手術経験」

頭頸部外科 27(1):11~16 2017

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshns/27/1/27_11/_pdf

 


サーファーズイヤー(外耳道外骨腫)は,長期にわたる慢性的な冷水刺激が外耳道に加わることにより,骨部外耳道に生じる骨増殖性隆起である。当教室では,2009年7月から2015年7月までの6年間に,8例13耳のサーファーズイヤー手術症例を経験した。手術は全例耳内切開で行い,合併症はなく良好な結果を得た。1症例を提示し手術手技を詳述した。外耳道では過剰な骨削開により,前壁では顎関節包,後方では乳突蜂巣,および顔面神経を損傷するリスクがある。特に顔面神経の走行は,鼓膜輪との位置関係にバリエーションがあり,外耳道外骨腫の手術合併症予防の観点から,手術手技に関する文献的考察を加えた。


「サーファーズイヤーの取り扱い」



日本耳鼻咽喉科学会会報5 (2012) p. 1054-1055



・また、上記の論文の本文にかいてありますが、サウナをよく使う人にもおこるんですね↓


「サウナ習慣者に発症した高温,冷水反復刺激が 誘因と思われる外耳道外骨腫の3症例」

日耳鼻 116: 1214―1219,2013




【抄録】外耳道外骨腫は,古くより潜漁夫やサーファー,特により寒冷な地域でより長 い冷水刺激に暴露された者ほど発症率が高く骨増殖も大きいとされている.今回 われわれは,15年間にわたりサウナに通い,サウナに入った直後の冷水浴を習慣 としていた3症例5耳の外骨腫に対して手術を行った.サウナ習慣者の冷水刺激 に対する暴露時間は,職業的に潜水する人やマリンスポーツをする人に比べれば はるかに短いと考えられるが,極端な高温・冷水刺激の反復が外骨腫の発生にか かわった可能性が示唆された.


・ということで、耳に冷水がよく入る人が要注意です。


以下ちょこっと日記

・本日は、ハーバード大学のイチロー・カワチ先生の社会疫学集中講義の最終日。収入格差と健康、ソーシャル・キャピタルについてです。ときどき、だれそれ先生の講義は刺激的で、エキサイティングだという話を見分しますが、面白い講義、引き込まれる講義というのは何回も聴講しましたが、エキサイティングというように感じた記憶はありません。(本当に物忘れが激しくて記憶にないだけかも。・・・私には政治家もしくは高級官僚の素養がありますね)しかし、本日のイチロー先生の講義はエキサイティングでした。何がエキサイティングか説明できれば良いのですが、私の文章力では困難です。できれば、皆さんもイチロー先生の講義を機会があれば聴講されればよいと思います。また、先日ご紹介した『社会疫学』の本を購読ください。

・講義後は、高島屋の地下へ行ってカレー食べて帰宅。実は、本日オリエント美術館で「バロック音楽の午後」というコンサートがあったので、行くつもりだったのですが、体力に自信がないのと27日までに振動病に関する原稿を書き上げないといけないので、それはやめて自重しました。で、19時過ぎきたくで、それからひたすら原稿作成。で、つかれたので、このブログを書いて、アップしたら寝ます。

・明日はお休み。丸亀までいってうどん食べて、それから猪熊弦一郎現代美術館へいって、うどんたべて帰ってくるつもりです。そして夜は、原稿の仕上げ(のつもり)。では、おやすみなさい。

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コメント 2

おおさわ

ご無沙汰しております。
サーファーズイヤーは寡聞にして存知あげず、勉強になりました。冷水を浴びる、という表現で連想したのは黒部ダム工事で地下水を浴びながら掘り進んだ話…この前ブラタモリでやっていました。
by おおさわ (2017-11-24 12:26) 

michiba

>おおさわさん、コメントありがとうございます。
成る程、トンネル掘るのも冷水あびますね。トンネル坑夫の方達は、じん肺、難聴、振動障害が合併している人が結構いますが、ひょっとしたら、難聴は騒音性難聴では無く、この疾患のひとが紛れているかもしれませんね。勉強になりました。

by michiba (2017-11-24 15:53) 

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