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苺状歯肉炎/丸亀訪問

口唇から歯肉、口腔内の変化って、診れば何かあるというのは分かりますが、それが何か診断するのは難しいと感じております。今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました。


Strawberry Gingivitis in Granulomatosis with Polyangiitis

Maryam Ghiasi, M.D.

N Engl J Med 2017; 377:2073 Nov 23, 2017

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1706987

本文中にあるように、まれな病変だけど、こういう変化があれば、多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis: GPA・・・むかしWegener肉芽腫症といっていたもの)を考えればよろしいみたいですね。

ちなみに、Strawberry Gingivitisという言葉は『医学書院医学大辞典第2版』『南山堂医学大辞典第19版』には出ていません。医中誌でさがすと一件のみ苺状歯肉炎ということでヒットしました。これは、多分顆粒状歯肉炎garanular gingivitisと同じものではないかと思います。(違っていたらごめんなさい)医中誌で探すと3件ヒットしましたが、みんな同じ著者のものでした↓

顆 粒 状 歯 肉 炎 を初 発 症 状 とす るWegener肉 芽 腫 症 の 病 態 の 転 帰 お よ び そ の発 症 機構 に 関 す る免 疫 学 的 考 察

日本歯周病学会会誌 34巻4号 1992年12月

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio1968/34/4/34_4_916/_pdf

要旨: 日本歯科大学歯学部附属病院歯周病科および口腔外科 において経験 した, 極めて希な特異的歯肉炎が初 発症状 と考 えられる全般性Wegener肉 芽腫症 (Wegener's Granulomatosis) の症例 (43歳 男性) に関し, 特 に 発症初期における歯周組織の状態, 病態の推移に関 して報告すると共に, 免疫学的見地からその発症機構 につい て考察を加 えた。 本症例で特徴的なのは, (1) 顆粒状歯肉炎が全ての病的変化 に先だち, それが初発症状である と考 えられたこ と, (2) 電撃的かつ激烈な歯肉お よび口腔粘膜の壊死の進行, (3) 病変の進行に伴 う急速 な歯牙の脱落, (4) 急激 な 全身の臓器への肉芽腫性病変および血管炎の波及, (5) T細 胞 の比率の減少, B細 胞の比率の上昇, (6) NK細 胞 の比率の上昇等であった。 以上のことより, 本症例の発症の背景因子 として歯周疾患があ り, 未知 の因子の介在 により自己免疫系が賦活 された ことで急速かつ高度な歯周組織破壊が進 み, 局所から全身に血管炎および壊死性 肉芽腫性病変が波及 し, 死の転帰をとったもの と考 えられた。 

 

以下日記

・本日11/23(木)は勤労感謝の日。とくにdutyがありませんでした。で、本日は丸亀の猪熊弦一郎現代美術館=MIMOCAへ一人で行ってきました↓

http://www.mimoca.org/ja/

『戦時下の画業』というテーマの展示でした。私、芸術と権力との関係にちょっと興味があるので、観てきました。たまたま本日は、開館26周年記念で入館料無料でした。おまけにショップでいくらか買うとクジがひけました。4等だったのですが、なんとTシャツがあたりました↓

MIMOCAのTシャツ.jpg

内容は文章力がないのでなかなか説明できません。興味深かったのは、「〇〇方面鉄道建設」というもの。なんじゃ、この〇〇は?と思いましたが、これは、伏字のようなものですね。彼は、軍部の命令で戦意高揚のため絵をかきにビルマにいっていて、あの有名な泰緬鉄道の建設現場を描いたのですが、軍部より作戦上場所が明確になってはいけないので、名前をかえろというような指示がきて(これは、その指示の文書が展示されておりました)、○○としたようです。ひょっとしたら、ささやかの抵抗だったのでしょうか?(これは、私の推測です)一緒に展示されていた佐藤敬という画家の文章も興味深かったです。

・話は前後して、丸亀には10時前についたのですが、当然うどんを食べるため、綿谷というお店へ。かけうどん小たのんで、アゲと生卵、アジフライで450円。おなか一杯になって美術館へいきました。美術館行った後は、丸亀城へ。途中通った商店街がほぼシャッター街のようでちょっと悲しかったです。丸亀城は、坂がきつかった。200円で天守閣を見て、それから駅の方へもどって、「一鶴」へ。最初お昼ご飯もうどんをたべるつもりでしたが、FACEBOOKで友達が「一鶴本店ははずせんやろ!」という強いお勧めで、予定変更し一鶴へ。幸い並ばずに入れましたが、残念ながら喫煙席でした。まあ、我慢して、ひなどりとノンアルコールビールを頼みました。これが、本当にアルコールならよかったのですが...一人ではいるものどうかなと思っていましたが、結構おひとりさまの人もおられましたね。今度行くときは、だれか友達誘っていこう。

・一鶴で食事後は、ひたすら帰宅です。家に着いたのは15時半過ぎ。あとはひたすら原稿の作成と講義の準備をしました。

・では、これからちょっと事務作業をして、早めに寝ます。明日は、午前外来、午後産業医面談2件とCPAPの勉強会。早く帰ってこれるはずですが...


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コメント 4

おおさわ

考察の理論は理解しやすく、もしもこれが証明されたら、やはり歯周病は自己免疫疾患などでも症状に大きな影響を及ぼすのですね。
症例としては逆に歯周病があったがために、初発としてそこに激しい症状が先行したということか…しかし急激に歯肉の炎症と歯牙の脱落が生じれば、ご本人としては相当な恐怖だったことでしょう。

歯周病については職業性のハイリスク群を見出した論文がありましたね。ちょっとうろ覚えなのですが。
by おおさわ (2017-11-24 12:30) 

michiba

>おおさわさん、コメントありがとうございます。
例えば、↓のような論文がありますね。
日本人労働者の歯周病発症は職業間で違いがあるか 5年間の前向きコホート研究(Is there an occupational status gradient in the development of periodontal disease in Japanese workers? A 5-year prospective cohort study)(英語)(原著論文)
Author:Irie Koichiro(Department of Preventive Dentistry and Dental Public Health, School of Dentistry, Aichi Gakuin University), Yamazaki Toru, Yoshii Saori, Takeyama Hideo, Shimazaki Yoshihiro
Source: Journal of Epidemiology (0917-5040)27巻1-2号 Page69-74(2017.02)

Abstract:日本人労働者に対する5年間の前向きコホート研究を実施し、職業と歯周病発症率の関係性を調査した。ベースライン時点で歯周病がない20歳以上の歯科検診受診者3390名(男性2848名;平均41.0±9.77歳、女性542名;平均41.6±10.46歳)を解析した。地域歯周疾患指数(CPI)を用いて口内診査を実施し、CPIスコアによって健康(0)、プロービング後出血(1)、歯石(2)、浅い歯周ポケット(3)、深い歯周ポケット(4)とコード化し、スコア≧2のsextantが1以上ある被験者を歯周病と診断した。5年の経過観察後、男性の31.6%、女性の23.8%が歯周病を発症した。男性では歯周病に対する補正相対的危険度(RR)は有意ではなかった。生産工程・労務従事者、販売従事者、運輸従事者に対する補正RRは専門職よりもそれぞれ2.52倍、2.39倍、2.74倍高かった。女性では歯周病の発症と職業の間に有意な関連はみられなかった。

一度ブログの記事に取り上げてみたいと思います。


by michiba (2017-11-24 21:27) 

おおさわ

おお。早速ありがとうございます。
これだったかもしれません。やはり、夜勤や生活リズムが異なって拘束時間が長いケースで、歯磨きも困難になりやすい職種のような気がいたしますね。
これも職業性の健康障害でしょうね。
by おおさわ (2017-11-25 02:24) 

michiba

>大分昔から、喫煙率も職種によって違うといわれていますしね。
by michiba (2017-11-25 06:51) 

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